この仕事の記録

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この仕事の記録

出演者が自分の仕事について語った言葉を、時系列に置き直す

序 — 作品は残り、仕事は消える

このサイトが何を記録し、何を記録しないのかについて。

作品は、驚くほど丁寧に記録されている。

1本ごとに品番が振られ、配信日が日単位で残り、収録時間が分単位で記録される。 メーカー、レーベル、監督、シリーズ。商品として必要な情報は、10 年以上前のものでも引き出せる。

出演した人については、そうではない。

いつ始めたのか。どこの専属だったのか。いつ移ったのか。何が転機だったのか。 やめたのか、続けているのか、続けているとして今は何をしているのか。 こうしたことは、断片としてなら残っている。インタビューの一節、動画の中の一言、本人の投稿。 ただし、それらは 10 年以上分が別々の場所に散らばったまま、誰も並べ直さない。

作品は商品だから記録される。仕事は商品ではないから記録されない。 その差が、このサイトを作った理由である。

立場

ここでは、これを職業として扱う。

ある人が、ある時期に、ある会社と組んで、一定の本数の仕事をした。 別の会社に移った。本数が増えた、あるいは減った。何年か続けて、やめた、あるいは続けている。 その過程で、自分の仕事について何かを語った。記録するのはそこまでである。

作品の中身は論じない。良し悪しも付けない。 それは商品の評価であって、人の仕事の記録ではないからだ。

引退、休止、死去といった節目には触れる。ただし事実として触れるだけで、理由を詮索しない。 語られていないことは、語られていないまま置く。

方法

記事の中心に置くのは、本人が公の場で語った言葉である。 インタビュー記事、動画での発言、自分で書いた連載や投稿。出典は必ず示す。

その周囲に、作品の記録から読み取れるキャリアの形を添える。 年ごとの本数の推移。どのメーカーとどの時期に組んでいたか。評価の集まった作品。 これらは本人の語りを裏づけるために置くのであって、逆ではない。

数字から人物像を推し量ることはしない。 「この年に本数が減ったのは、こういう心境だったのだろう」と書き足したくなる誘惑はあるが、 本人が言っていないなら、書かない。

数字の限界について

あらかじめ断っておく。配信日は、その作品が世に出た日であって、撮影された日ではない。

そして、そもそも配信日が記録されていない作品が3分の1ある。 手元のカタログにある553,586本のうち、日付を持つのは374,473本で、残る179,113本には日付が無い。 日付の無いものは、図にも、年ごとの本数にも入らない。 人によっては、その割合がもっと高い。作品の大半に日付が無い人の図は、 活動のごく一部を写したものでしかない。

旧作をまとめた総集編や、画質を上げ直した再配信は、新しい日付で登録される。 そのため、機械的に集計すると、とうに引退した人や、すでに亡くなった人が、 つい先日まで活動していたように見えてしまう。

さかのぼれる範囲にも限りがある。 配信日の記録が残っている最も古い作品は2004年のもので、その年はわずか61本しかない。 件数がまとまって載るのは2007年以降である。 それ以前から働いていた人は、記録の上ではどうしても「途中から始まった」ように見える。 記録の最初の1本は、その人の最初の1本ではない。

つまり、ここに出す図は、左端が切れていることがあり、右端が伸びすぎていることがある。 この歪みは完全には取り除けない。 各記事では、こうした数字がどこまで信用できるかを、そのつど断りながら書く。